Twitterでクトゥルフ卓を募集していると、いろんな方が来ます。
もちろんいい人や変な人もいるのですが、大多数は普通のTRPG好きな方々です。
そういった方々と卓を囲む時に最初に行うKPの仕事が「キャラクターシート」のチェック。
私の場合は下記の項目を主にチェックします。
1.ルールの確認:ステータス作成時のダイス値を間違えていないか?
2.舞台の確認:時代、言語はシナリオにあっているか?
3.バランスの確認:キャラクターにとってシナリオが不当に高い、または易い難易度になっていないか?
4.技能の確認:職業に関連のない技能はないか?創造技能の無いか?あるならその定義の確認。
特に4に関しては人によって特に個性が出る部分なので気を使います。
だいたいの場合はルール的には問題はないが、キャラクターとして違和感が生じるケースが多いのです。
ケース1:職業技能がルールブックのサンプル通りすぎて時代・キャラクターに合っていない
例えば、エンターブレイン版のルルブサンプル職業の警察・刑事は<信用>を持っておらず<いいくるめ>が記載されています。
これは1920年代アメリカの時代背景やクトゥルフにおける警察観かもしれませんが、現代日本では違和感を覚える部分でしょう。
また、1920年代アメリカを基準にした場合でも<拳銃>がないのはいただけません。
このケースのキャラクターシートを見たときに行う説明は、「ルルブの職業はサンプルに過ぎない」ということです。
設定した職業に対して適切な技能が思いつかない初心者の場合これを参考に作ると良いという指標であることをPLに説明します。
職業を設定する際にはルルブに記載されたP48「職業の創造」とP50「職業に関するメモ」に目を通しておくと良いでしょう。
ケース2:創造技能、芸術(二丁拳銃)、芸術(すり)のような判定に関わりそうな技能がある。
そもそもとして、職業の創造、および創造技能を取得する場合はKPとPLの合意が前提です。
他のKPのもとで作成した創造技能であっても、参加する卓のKPに許可を取る必要があります。
そして二丁拳銃の場合はルルブ戦闘のスポットルールで判定法が記載されており、その判定にどの程度影響を与えるのかをKPが決定しなくてはいけません。
すりは元々クトゥルフにあった技能(そして7版で復活する技能)<手先の早業>があるのでこれを採用するといいでしょう。<手先の早業>の代替技能と思われる<隠す>で判定しても良いと思います。
こういった判定が必要な技能を採用できるかはKPの習熟度によっても変わりますし、卓がはじまる前に決めておく必要があります。
PL自身もKPに応じて適切なキャラクターシートを提出できるよう取り計らいましょう。
ケース3:職業技能と興味技能がかぶりすぎていて、技能値からキャラクターが読み取れない。
職業技能と興味技能のかぶりについては賛否あるかと思います。
もちろん、ルールブックに興味ポイントは<クトゥルフ神話>以外の好きな技能に配分することが出来ると書かれています。
それに職業と趣味が一致する人間も決して少なくは無いでしょう。
しかし、同じ一文の中に『探索者は金を稼ぐ以外にいろんなことをするし、趣味も持っていることだろう』という記述があります。
この前提を無視して『好きな技能に配分することが出来る』と言う記述だけをルールとして認識するのはいかがなものでしょうか?
特に、私がわざわざこのケースを注意するのは下記のような場合です。
田中 太郎 警察(28歳)
技能配分 | 職業技能 | 興味技能 | 合計 |
いいくるめ | 40 | 40 | 80 |
応急手当 | 40 | 40 | 80 |
回避 | 40 | 40 | 80 |
組み付き | 40 | 40 | 80 |
上記は極端な例ですが、まったくキャラクターが見えてきません。
このキャラクターはただメインの技能値を80にしたいだけの配分であることが見て取れます。
技能配分 | 職業技能 | 興味技能 | 合計 |
いいくるめ | 80 | 80 | |
応急手当 | 80 | 80 | |
回避 | 80 | 80 | |
組み付き | 80 | 80 |
上記の場合、同じ目的(技能値80)の配分であっても、仕事に役立つ柔道などの格闘技の修練に余暇を費やしているというキャラクター像が見えてきます。
前述のような配分を行ったキャラクターは個性が無く、たんなるPLのコマに成り下がります。
少なくとも私の場合、雰囲気を楽しむCoCにおいて、それを良しとは思いません。
故に、初心者が前述のようなシートを提出してきたときは、後述のような配分に変えるように伝えます。
CoCのルールは人によって解釈のわかれる部分が多いため、是非の判断はみなさんにおまかせしますが、
少しでもみなさんのCoCキャラクター作成、およびKPを行う際の参考になれば幸いです。